日本海にズワイガニが育つ理由|冷たい海水と豊かな海底環境
海面の下には、冷たい海が広がっています
丹後の海では、ブリやサワラ、アジなど、季節ごとにさまざまな魚が水揚げされます。その一方で、深い海底には、冷たい水を好むズワイガニが暮らしています。
同じ日本海でも、海面に近い場所と深い海底では、水温や環境が大きく違います。
この違いを生み出しているのが、日本海の地形と、深い場所に広がる「日本海固有水」です。

日本海の地形が、深い海の環境をつくる
日本海は、アジア大陸と日本列島に囲まれた海です。外の海とは、対馬海峡・津軽海峡・宗谷海峡・間宮海峡でつながっていますが、これらの海峡は、日本海の深い海底に比べて浅くなっています。
そのため、外の海との海水の交換は、主に海面に近い層で行われます。
表層には対馬暖流が流れ込む一方、深い場所には冷たい海水が広がっています。
暖流の影響を受ける上層と、低温の深層が重なることが、日本海の特徴です。

冬の冷え込みがつくる「日本海固有水」
日本海の深い場所に広がる、低温の海水を「日本海固有水」と呼びます。おおむね深さ300m以深に分布し、水温は0〜1℃程度です。
この海水は、日本海北西部のウラジオストク沖などで、冬の厳しい寒さによって海面の水が強く冷やされ、密度が大きくなって沈み込むことで形成されると考えられています。
ロシア側から冷たい水が流れ込むというより、日本海の北西部で冷やされた海水が、深い場所へ沈み込む仕組みです。
この沈み込みは、海面付近の酸素を深い海へ運ぶ役割も担っています。ただし、その強さは年によって異なり、毎年同じように深層まで海水が補給されるわけではありません。
ズワイガニが暮らす、冷たく柔らかな海底
日本海のズワイガニは、主に水深約200〜400mの海底に生息しています。京都府の資料では、その環境は水温が年間を通じて0〜3℃程度で、海底は柔らかい泥に覆われていると紹介されています。
私たちが暮らす陸上では、夏と冬で気温が大きく変わります。しかし、ズワイガニが暮らす深い海底は、海面付近に比べて季節による水温の変化が小さい環境です。
冷たい海水と、柔らかな泥底。日本海には、ズワイガニが暮らす環境が広がっています。
なお、生息する水深は、海域や成長段階、雄・雌によっても異なります。「どこでも同じ深さ、同じ水温」というわけではありません。

深い海底にも、さまざまな生き物がいます
光の届きにくい深い海底にも、多くの生き物が暮らしています。
ズワイガニの生息域には、クモヒトデやエビ、貝、魚などが見られます。ズワイガニは、クモヒトデ、エビ類、ゴカイ類、イカ類、海底に落ちた魚などを食べています。
冷たい水があるだけでなく、餌となる生き物がいることも、ズワイガニの暮らしを支える大切な条件です。
日本海のカニは、こうした海底の生き物とのつながりの中で育っています。

恵まれた漁場でも、カニは一匹ずつ違います
丹後半島沖を含む日本海には、ズワイガニが育つ自然環境があります。しかし、同じ海域で獲れたカニでも、身入りや状態がすべて同じになるわけではありません。
魚政が一番大切にするのは、身入りの良さ。脚にしっかり身が詰まったカニを選ぶことです。
水揚げ港の名前やタグだけで、美味しさを決めることはできません。一匹ずつ状態を見極め、身詰まりの良いカニを選ぶ。それが魚政のカニ選びの基本です。
日本海の自然が育てたカニを、魚政の目で選び、お客様へお届けします。





