カニの価値は、タグだけでは決まらない|間人港の仲買人が伝えたいこと

間人ガニ・松葉ガニ・越前ガニ
タグだけでは分からない、本当に良いカニの条件
間人ガニ、松葉ガニ、越前ガニ。
水揚げされる港や船籍によって呼び名やタグは変わりますが、生物学上はいずれも同じズワイガニです。
もちろん、産地や船を証明するタグは大切です。
どこの港で水揚げされたのか、どの船が漁獲したのかを明確にし、ブランドを守る役割があります。
しかし、タグが付いているから、すべてのカニが同じ品質というわけではありません。
同じ港、同じ船、同じ日の水揚げであっても、カニは一匹一匹違います。

カニに一番大切なのは、個体そのものの良さ
魚政では、身入り、鮮度、大きさ、脚の揃い方や傷などを、一匹ずつ確認しています。
特に大切なのは身入りです。
カニは脱皮を繰り返して成長します。脱皮からの期間や個体の状態によって、殻の硬さ、身の詰まり方、蟹味噌の状態にも違いが出ます。
有名な港で水揚げされたカニであっても、身入りの弱いものがあります。反対に、広く名前を知られていない港でも、素晴らしいカニが揚がることがあります。
水揚げ港だけで、カニの美味しさが決まるものではありません。

タグは「産地の証明」、品質は「一匹ずつの見極め」
タグは、そのカニの産地や船籍を証明する大切なものです。
一方で、身入りや鮮度、個体の良し悪しまで、タグだけで判断することはできません。
だからこそ、仲買人が競り場で実際にカニを見て、触り、重さや殻の状態を確かめて仕入れることが重要になります。
ブランドだけで選ぶのではなく、カニそのものを見極める。
それが、魚政が長年変わらず大切にしてきた考え方です。

間人港の仲買人として
魚政は2026年9月から、京都府漁協・間人港を中心に仕入れを行っています。
間人ガニは水揚げ量が限られ、全国的にも高い評価を受けるブランドガニです。
しかし魚政では、「間人ガニだから必ず仕入れる」ということはしません。
身入り、鮮度、大きさ、脚の揃い方や傷などを確認し、価格も含めて納得できる個体だけを仕入れます。
良いカニがなければ、無理に仕入れないこともあります。
松葉ガニ、越前ガニについても考え方は同じです。
産地やタグを尊重しながらも、最後は一匹のカニとして判断する。それが魚政の基準です。

タグへの信頼を守るために
2024年には、間人ガニのタグを不正に使用した問題が報道されました。
産地を偽る行為は、消費者の信頼だけでなく、漁業者、市場関係者、仲買人が長年積み上げてきたブランドの価値を損なうものであり、決して許されることではありません。
一方で、産地を示すタグが、カニの身入りや美味しさまで保証するものではありません。
魚政では、港のタグだけで品質を判断せず、一匹ずつカニそのものを見極めています。そのうえで、魚政の基準を満たしたカニだけに「魚政BLACK」のタグを付けてお届けします。
なお、「魚政BLACK」のタグは産地ブランドを示すものではなく、魚政独自の品質基準を満たした証として付けています。

魚政が届けたいのは、納得できる一匹
港の名前やタグは、カニを選ぶうえで大切な情報です。
しかし、最後に美味しさを決めるのは、目の前にあるカニそのものです。
タグより先に、カニを見る。
身入り、鮮度、大きさ、脚の揃い方や傷。
魚政が納得した一匹を、お客様へ届ける。
これからも、間人ガニ、松葉ガニ、越前ガニ、それぞれの価値を尊重しながら、魚政の基準で選び抜いてお届けします。





